手描き×3Dモデルで伝える
道路設計の図面というと、モノクロで無機質な印象を持たれる方が多いかもしれません。
しかし、道路は人々の暮らしの中に存在するもの。図面の中にも「温かさ」や「生活感」を表現できたら──そんな思いから制作したのが下の鳥瞰図です。

この図は、交差点改良の設計意図をわかりやすく伝えるために作成したビジュアル資料です。
手描きの絵に、パソコンで描いた図面と3Dの道路を組み合わせ、設計者や技術者だけでなく、地域の住民の方々にも「どんなふうに変わるのか」を直感的に伝えることを目指しました。
アナログとデジタルの融合
建物や樹木、周囲の地形は、色鉛筆とペンで一つ一つ描いています。現地の雰囲気やスケール感、暮らしの空気感が伝わるよう意識しました。
一方で、道路本体・区画線・車線矢印・そして「断面図」などは、CADや3Dモデリングで制作し、正確な寸法や構造が伝わるようにしています。
合成の流れと使用ツール
作業の流れは以下の通りです。
- 手描きのスケッチを高解像度スキャン
- デジタル化された図面と3Dモデルを合成(Illustrator / Photoshop / AutoCADを併用)
- 道路部分の陰影や立体感を調整し、全体のバランスを整える
特に意識したのは、「どちらか一方だけが浮かないようにする」ことです。アナログの柔らかさとデジタルの精密さを調和させるのがポイントでした。
制作して気づいたこと
- 手描きの表現には「親しみやすさ」という強みがある
- 合成には根気と丁寧さが必要(線のズレやスケール調整に注意)
- 完成した時の「伝わった感」は、言葉では表現しきれない達成感
図面を3D化
はじめにご紹介した鳥瞰図は、二次元のアナログスケッチと三次元の3Dデータを組み合わせたものでした。次にご紹介するのは二次元の図面をトレース・立体化して、三次元にしたものです。

立体的に把握できるのではないでしょうか。通常の図面を読み慣れてない方からは「どういった構造になっているのかが、なんとなく理解できた」という感想をいただいています。
まとめ
今回のように測量データをビジュアル的に加工した表現は、住民説明会や就活生向けのPRなど、様々な場面で活用できると感じています。
弊社はドローン技術だけでなく、元々は複写、スキャニング、CADを中心に営業してまいりました。ご紹介した2つの事例は、既存の技術を活用したものです。
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今後もこういった技術の応用をご紹介してまいりますので、ご期待ください。