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【シリーズ第2回】グリーンレーザーで“見えなかった地形”が見える! 樹木下の点群データ化についてお教えします!

公共工事におけるドローン測量の導入は、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進とともに、ますます重要性が高まっています。
しかし、特に河川や山間部の現場では、樹木や下層植生が地表面の正確な把握を妨げる大きな要因となってきました。

前回の記事では、グリーンレーザーが水を透過し、水中部の地形まで一体的に測量できる点をご紹介しました。

今回はその「もう一つの大きな強み」として、樹木や植生に覆われた地形をどこまで三次元的に把握できるのかというテーマで、現場目線で解説していきます。

1.なぜグリーンレーザーが使われているのか?

UAV(無人航空機)によるレーザー測量と同様に使われている写真測量では、樹木や下層植生が繁茂しているエリアでは、正確な地盤高を取得することが困難でした。

  • 夏場の繁茂期や広葉樹林では、葉に遮られて地表面のデータが欠測しやすい
  • 植生の頂部を地盤と誤認してしまい、標高が実際より高く出てしまう
  • 急斜面や崩壊地など、人が入りにくい箇所ほどデータが不足しがち

このように、「樹木に隠れた地形」ほど、本来一番知りたい形状が見えにくいというジレンマがありました。

こうした課題に対し、ドローン搭載型のグリーンレーザースキャナは、高木・低木・下層植生の隙間を通り抜けて地表面のデータを拾い上げることが可能です。

2.グリーンレーザーはどうやって植生下の地形を捉えている?

その鍵となるのが、次の2つの要素です。

その1. マルチターゲット測定機能

グリーンレーザーシステムでは、1回のレーザー照射に対して

  • 樹冠(葉や枝)
  • 下層植生
  • 地表面(グラウンド)

といった複数の地形からのレーザー反射を同時に捉えることができます。

さらに、レーザー光が葉のすき間を抜けて進み、最終的に地盤に到達した反射波を抽出することで、「樹木の上」と「地表面」をきちんと分けて扱えるようになります。

この地表面の反射を抽出してデジタル化したものが、グラウンドデータと呼ばれる地形のデータです。

その2. 低高度からの高密度点群取得

グリーンレーザーをドローンに搭載することで、従来の航空機レーザー測深(ALS)よりも低い高度から計測が可能となり、1㎡あたり100点以上といった非常に高密度な点群データを取得できます。

点が多いほど、植生のすき間を通り抜けて地表まで届くレーザーが増えるため、従来の測量手法では困難だった樹木群の下の地形や微地形の把握が可能になります。

実測事例:山間部渓畔林での点群密度

植生の影響が大きい山間部の渓畔林を対象とした調査では、地表面を示すグラウンドデータだけで見ても、平均30点/㎡以上という高い点密度が得られました。

これは、公共測量マニュアルにおける標準基準(4点/㎡)を大きく上回る値です。

このレベルのデータ密度が確保できると、例えば次のようなことが可能になります。

  • 樹木に覆われた急斜面の微妙な起伏や、崩壊地の形状を詳細に把握
  • 河岸の侵食状況や洗掘箇所の形状を三次元的に確認
  • 砂防ダム背後の堆積形状を、植生越しに面として把握

「目では見えないが確かに存在する地形」を、点群として可視化できるのがグリーンレーザーの大きな特長です。

3.公共事業における主なメリットはなに?

グリーンレーザーを用いることで植生下の地形を把握できるため、公共工事の現場では、次のようなメリットが期待できます。

効率的な計画策定(災害復旧・ICT施工・CIM対応)

樹木下の地形を含めた広範囲の三次元データを一括で取得できるため、

  • 災害復旧計画
  • ICT施工(CIM導入)に向けた現況把握

といった場面で、必要な情報を短期間で収集・整理することができます。

従来のように「植生部は追加調査が必要」といった手戻りを減らし、計画立案から施工までの時間短縮にもつながります。

樹木管理の高度化

グリーンレーザー点群からは、樹木の高さや分布を定量的に抽出することも可能です。

これにより、樹木の分布を三次元的に把握することで以下のような作業が効率化されます。

  • 樹木による河積阻害状況を定量評価
  • 間伐・伐採の優先順位付け
  • 合理的な樹木管理計画の策定

これまで樹木管理は経験則に頼りがちでしたが、客観的なデータに基づいて高度化できます。

4.高精度な地盤データを得るための地道な工夫

とはいえ、グリーンレーザーといえでも、どのような条件だって万能に測れるわけではありません。
より正確な地盤データを取得するには、植生の影響を抑えるための地道な工夫が重要になってきます。

代表的なポイントとしては、次のようなものがあります。

  • 計測時期の選定
    落葉広葉樹が多いエリアでは、樹木の葉が落ちる冬季に計測を行うことで、地表面まで届くレーザーの割合を増やせます。
  • 計測計画の立案
    林冠(森林の最上部)の高さや斜面条件に応じて、飛行高度などを計画段階で適切に設定することが必要になってきます。
  • 下草の刈り込み
    夏場など雑草が生い茂った地面は草刈りを行います。暑さや虫と戦いながら斜面の草を刈るのはとてもつらい仕事ですが、正確なデータを得るためにはかかせない作業です。
  • 実績のある事業者の選定
    植生域での計測には、現場状況に応じた最適な計測計画・後処理(グラウンド抽出)が欠かせません。
    測量を外注する際は、植生域での実績や、現場条件に応じた提案力を持つ業者を選定することが、高精度な成果につながる重要なポイントです。

5.まとめ:災害対策・維持管理を支える「見えない地形」の可視化

グリーンレーザーによる三次元データは、水中だけでなく樹木や植生に覆われた地形の把握にも力を発揮します。

  • 陸部と水部をシームレスに一体で測れる
  • 植生下の微地形や崩壊地形状を高密度点群で把握できる
  • 樹木管理や河積阻害評価にも応用できる

こうした特長から、グリーンレーザーは災害対策や維持管理の高度化に欠かせないツールとして、適用範囲を広げつつあります。

次回の記事では、今回ご紹介したようなグリーンレーザー点群が、実際にどのような検討・設計・維持管理で活用されているのか、具体的な事例をさらに掘り下げてご紹介する予定です。