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【シリーズ第1回】グリーンレーザー基礎の基礎【事例付き】

土木現場で近年注目されているUAV(ドローン)搭載型グリーンレーザーによる測量について、基礎知識から実務への活用方法まで解説します。

従来は陸上と水中で別々だった測量を、条件次第でドローン+レーザースキャナ一により一体的に行えるため、近年注目されている手法です。

第1回となる今回はグリーンレーザーの概要についてざっくりご紹介。仕組みや適用範囲、よくあるご質問、測量成果の活用事例、具体的な機材と特徴などを現場目線でお伝えします。

  1. グリーンレーザー測量の仕組みと特徴
  2. 主な活用分野
  3. 測量に関するQ&A
  4. 測量成果データの例と活用方法
  5. グリーンレーザー機材について
  6. まとめ

1.グリーンレーザー測量の仕組みと特徴

グリーンレーザー測量とは、レーザー光の中でも水中を透過しやすい波長(緑色系532nm)を利用した測量技術です。航空機やドローンから地表に向けてパルスレーザーを照射し、その反射時間から三次元座標を取得する点は一般的な近赤外線レーザー測量と同じです。

しかし、グリーンレーザーはある分野において赤外線にはない独自の強みがあります。

赤外線レーザーの特徴と弱点

赤外線レーザーはスマートフォンにも搭載されています。

測量だけでなく、以下の画像のように物体から放射される熱(赤外線)を検出し、温度分布を可視化することも可能です。

しかし、近赤外線には水に吸収されてしまうという弱点があります。そのため水中の地形を捉えることができません。

グリーンレーザーの強み

一方、グリーンレーザーの光は水中をよく透過し、水底で反射する性質があります。この特性によって、陸上と水中の地形を一度に測量することが可能です。 

グリーンレーザー測量では、水面と水底からの二重の反射波を捉えて水深を測定します。レーザーは大気中から水面に入る際に一部が水面で反射しますが、大部分がそのまま水中に進みます。十分に透明度が高く浅い水域であれば、レーザーの一部は水底に届いて反射します。

戻ってきた最初の信号が水面反射、次の信号が水底反射と判断できれば、信号の時間差から水深を算出できるわけです。 この技術によって、陸上部では地表や構造物の三次元測量、水中部では川底・湖底・海底の地形測量が可能になりました。

さらに、UAV型のドローンであれば地形に妨害されない上空から計測できるため、従来のボート型では困難だった水際や浅瀬の詳細地形を容易に把握できるのも大きな強みです。

2.主な活用分野

グリーンレーザーは陸上と水中の三次元測量を可能にするため、様々な土木分野で活用が期待されています。ここでは代表的な適用シーンを紹介します。

  • 河川の測量・管理
    河川では堤防から河床までシームレスに計測でき、3Dモデル化した地形データを治水や維持管理に活用できます。

    従来は河川敷~水中を陸上測量と音響測深に分けていたものを、一度のドローン飛行で連続的に取得可能です。

    例えば洪水後の河床変動調査や定期縦断測量にも有効で、河川管理の高度化(CIM導入)に寄与します。
  • ダム・ため池の堆砂測量
    ダム貯水池やため池では、出水後に堆積した土砂量の把握や堆砂容量の算定にグリーンレーザーが役立ちます。

    特にボートで入りにくい浅瀬域や、危険な急斜面周辺はドローン測量が安全かつ効率的です。

    短時間で広範囲を測れる航空レーザー測深と組み合わせ、上流の浅い部分をUAVで詳細測量する手法も実施されています。
  • 港湾・海岸の測量

    港湾では岸壁や防波堤・離岸堤の形状を上部から基礎まで一体的に3D計測できます。

    取得した点群データから構造物の水中部の状態を詳細に診断でき、従来は困難だった消波ブロックの個別判読も可能となりました。

    海岸では浅海域の地形把握や海浜変形のモニタリングに活用できます。ただし波浪のある海岸での計測は後述の注意が必要です。
  • 砂防・治山分野
    砂防ダム(えん堤)や流路工において、土石流や豪雨後に堆積した土砂量を精密に測定できます。

    従来は水が絡むと測量が難しかった堆積土砂も、グリーンレーザーなら貯水部分を含めた3Dモデルで全体を把握可能です。

    これにより土砂の掘削計画や施設の健全度評価に活かせます。また河道内の植生状況も同時に取得できるため、流水の阻害要因となるヤナギ等の繁茂量データも河川管理に役立てられています。

以上のように、ドローン×グリーンレーザーは河川・ダム・海岸・砂防といった水辺を含む土木分野で幅広く活用可能であり、調査の省力化・高精度化に貢献しています。

特に「船が入り難い場所での測深」「工事前の現況調査」「施工後の出来形管理」などで有用といわれています。

3.測量に関するQ&A

実際に弊社に問い合わせがあった内容をもとにご紹介いたします。

Q1: 水が濁っていてもグリーンレーザーで水底まで測れますか?
A: 濁り具合に影響されます

これはお客様から非常によく聞かれる質問です。

グリーンレーザーは水中で徐々に減衰するので、土砂などによる濁りが強いと、光が散乱・吸収されて水底まで届かなくなる可能性があります。

例えば、大雨直後でひどく濁った川などでは、レーザーが水中の土砂に妨害されて水底にほとんど届かず、測量は非常に困難です。

また、白波が大きく立つような状態ではレーザーが乱反射してしまい測深が難しくなるため、波の静かな時を見計らうことも重要になってきます。

水底の性質も影響します。真っ白な砂地の水底であれば反射率が高くレーザーが返りやすいですが、黒っぽい泥やヘドロが堆積したような地質ですと、光が吸収されてしまい弱い反射しか得られません。水草や藻が繁茂している場合も、レーザーが拡散・吸収されてしまいます。

以上のことから、グリーンレーザーによる測量を行うには、ある程度透明度のあって波の穏やかな水域が必要です。この条件をクリアした上でですが、ある実験において濁度約1NTU(かなり澄んだ水)で水深約8.5mまで計測できたとの報告があります。

Q2: どの程度の深さまで測れますか?
A: 測れる深さ(測深可能範囲)は使用機材と水質条件によって変わります。

一般的なドローン搭載グリーンレーザーでは、性能カタログ上は十数m級またはそれ以上とされていますが、これは理想的な透明度の場合。実際の河川・湖沼のような淡水ではせいぜい1~3m程度、沿岸の海水でも数m~10m未満が一つの目安といえます。

その一方、最新の機材は性能向上が著しく、高度50mから最大13.5m、高度15mでは16.8mという深さまでレーザーが届いた実証データもあります。

実際の運用では安全高度との兼ね合いもありますが、透明度の高い海岸やサンゴ礁域などでは10m超の測深に成功した例も国内外で出始めています。

重要なのは、水深限界は水質条件に大きく依存することです。どれだけ機材の能力が高くても濁りのひどい水質では数メートルで途切れますし、逆に機材性能が標準的であっても澄んだ海ならば想定以上に深く測れる場合があります。

そのため「○m測れる」と断言しにくいのですが、あくまでも目安として水質が良く澄んだ水域なら10m前後、通常の河川で1~5m、濁った川ではほとんど不可、と考えられます。とはいえ、正直なところを申しますと「実際に現地を見てみるまでは、計測できるかすら確定できない」というのが実情です。

Q3: 概算でいいので見積もりを教えてもらえますか?
A: 水質など現地条件確認後の提示になります

これまで見てきたように、グリーンレーザーによる測量は「水の透明度×水底の反射特性」によって計測可否、可能な距離が大きく左右されます。

また、水が濁っている場合でも、水底にコンクリート構造物などの強い反射ターゲットがあれば意外と拾えることもありますし、逆に澄んでいても底質が真っ黒な泥だと難しいことがあります。

結局のところ「やってみないと分からない」場合がほとんどですが、事前に透明度の情報を収集することで計測の可否や機器設定をある程度予測することは可能です。

それらのデータを基にした上でやっとお見積り出来ます。

4.測量成果データの例と活用方法

主な成果データ一覧

UAVグリーンレーザー測量から得られる主な成果データとしては、以下のようなものがあります。

  • 点群データ(3D座標データ)

    レーザー計測の生データである高密度の3D点群が得られます。これには陸上~水底までの地形や構造物の座標が含まれ、一体的な地形モデル(点群からの地形面モデルや断面図)を構築可能です。

    点群は専用ソフトやCAD上で可視化・解析できます。例えば河川の縦断面や断面を任意の線で切って作成したり、地盤高を色分け表示して浸食や堆積の状況を把握したりといった解析が可能です。

    高密度点群なので地形の微妙な起伏やブロック一つ一つの形状まで詳細に表現されており、構造物の健全度チェックにも活用されています。
  • 深浅図・等深線図

    測得した点群データから水底面の標高値を抽出すれば、従来の深浅測量図のように水深を色分けした深浅図等深線(同じ水深を結んだ線)を作成できます。

    これは航路の確保や浚渫計画、土砂堆積の度合い判断などに有用です。

    例えば港湾では、ドローン測量で得た離岸堤周辺の点群から水深分布図を描けば、どの箇所が洗掘されているか一目瞭然です。

    また、河川では定期縦断図・横断図と同様の成果を面的データから容易に作成でき、経年比較による河床変動解析にも役立ちます。
  • 縦断図・横断図
    点群やモデルから任意の断面線に沿った縦断面図や横断面図を作成できます。例えば河川の中央線に沿って縦断図を描けば、川底勾配や淵・瀬の位置、水制工の高さなどが分かります。

    また特定断面の横断図を作成すれば、河道断面形状や堆積土砂の断面積などを算出できます。これらは河川設計や河床変動モニタリングに欠かせない成果品です。

    従来は現地で一本一本計測していた断面も、点群さえあれば任意の位置で後から抽出可能なため、計測漏れや追加調査にも柔軟に対応できます。
  • オルソ画像・カラー点群
    機種によってはレーザー測量と同時にドローン搭載カメラで空中写真を撮影し、オルソモザイク画像を生成できます。これを点群にマッピングすればカラー点群として直感的に地物を識別しやすくなります。

    例えば点群上に写真のカラーを付与することで、水面に浮遊するゴミの位置や、水中の藻場の分布なども把握しやすくなる場合があります。

    ただし水中部分の写真は濁りの影響を受けやすいため、画像利用は主に陸上部中心です。
  • その他の成果品
    業務仕様に応じて、計画書、精度管理資料、ビューアデータ等が納品されます。3D点群データについては、ビューアソフト上で計測・断面表示できるようビューアデータ(専用形式ファイル)が提供されることもあります。

    発注者の要望次第では、数値地形図データやCIMモデル(LandXMLやBIM/CIMソフトで利用可能なモデルデータ)として統合するケースもあります。

成果データの活用シーン

得られた成果データは様々な場面で活用されます。

  • 河川の場合
    CIMを取り入れた三次元河川台帳の整備、護岸設計への反映など
  • 港湾の場合
    浚渫工事の量算出や危険個所の洗掘深確認など
  • 砂防の場合
    土砂堆積量の年次比較や早期警戒への利用など

特に従来は点でしか測れなかった浅海域・河道部を面的に把握できるメリットは大きく、維持管理の効率化・高度化につながっています。

5.グリーンレーザー機材について

現在、国内外で複数のUAV用グリーンレーザースキャナが実用化されています。日本では、アミューズワンセルフ社のTDOTシリーズをはじめ、オーストリアのリーグル社、米ASTRALite社製、仏YellowScan社製などの機種が主に流通しています。

TDOT GREENシリーズ(アミューズワンセルフ社)

国内企業によって開発されたドローン用グリーンレーザー。仕様の一例として、以下のように公表されています。

  • 視野角は最大120°
  • 照射レート160,000Hz(毎秒16万発)
  • 最大6エコー

最新機では従来からレーザーパワー、受光感度ともに2倍に強化され、さらに高密度・高精度な計測が可能になりました。

6.まとめ

グリーンレーザーは、河川・ダム・海岸・砂防の測量を大きく前進させます。

透明度や底質などの条件が揃えば、浅海域や水際の“測れなかった場所”がデータに変わり、CIMや出来形管理の精度とスピードを底上げできます。水中UAVと空中UAVを組み合わせたハイブリッド測量も有効です。

ドローンエアは、現場条件の見極めや下準備、そして計測・処理・成果品の作成まで、一貫した最適な方法をご提案します。概算見積のご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせください。